すべての社畜に捧ぐブラック企業あるある漫画【迷宮ブラックカンパニー/安村洋平】見どころ&試し読み
これらはすべてブラック企業の特徴です。
今回ご紹介する漫画は、セレブなニート生活から一変、異世界のブラック企業で過酷な労働を強いられるも悪知恵を使い成り上がるお話。
目的を達成するためなら借金してでも先行投資する気前の良さと、劣悪な環境下に甘んじることなく自分が楽できるよう改善する向上心は、厳しい現代社会を生きる私たちも見習うべきかもしれません。
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あらすじ
二ノ宮キンジは、死ぬまで怠惰に暮らしたい一心で働かずしてお金が入ってくる仕組みを築き上げ、負け組には決して味わえないセレブニート生活を謳歌するはずだったが、唐突に亜人が住まう異世界へと転移されてしまう。
なかば売り飛ばされる形で大企業「ライザッハ鉱業」で働くことを余儀なくされる。しかし、ライザッハ鉱業は末端の人間を低賃金で長時間拘束し、過酷な労働に従事させる超ブラック企業だった!
キンジは再びセレブなネオニート生活を得るため、迷宮の魔神リムや同じ班で働くワニベ、地下迷宮に潜む魔物の数々といった人材をメンバーに加えた「迷宮ブラックカンパニー」を裏で組織することに。
雀の涙の低賃金、長大な労働時間、悲惨な労働環境――生き残る為に死ぬほど働く、社畜的ダンジョンファンタジー!
作品の見どころ
ゲスだけど合理主義で頭のキレる主人公
異世界に転移される前のキンジはプロのセレブニートです。
一番高いところから他者を見下すことが大好きな勝ち組バンザイ気質で、人が苦労したり浮かばれない様子を眺めていると元気がでてくるという正確の悪さ。
それだけ書くとめちゃくちゃ嫌な奴ですが、彼にも良いところはあります。それは、現状に妥協せず最上級に楽できる環境を作る努力を惜しまないところ。口だけでなく実行するところも評価できます。
あと、人をこき使うのが上手い。まさにブラック企業のトップに君臨すべき人材であると言えます。
この作品の見どころは、そんな主人公が異世界に飛ばされ自身がブラック企業に売り飛ばされ、タコ部屋のような環境で働かされてしまうところにあります。
まさかの転落展開を見ていると、冒頭のくだりがすべて盛大なフラグに思えてきて何度読み返しても笑えてしきます。
ブラック企業を皮肉ったストーリー
キンジが働くライザッハ鉱業は、いさぎが良いほどの超ブラック企業。
毎朝朝礼で「時間が足りず成果がでないのならば睡眠時間や児食事の時間を削ればいい」とまるで洗脳のように投げかけてきます。
それも社員は暑さでフラフラ。意識がもうろうとした中でこんな演説を長時間、それも毎日聞かされるとなると頭がおかしくなりそうです。
そして重労働をやりがいという言葉で丸め込む。やりがいの搾取というやつです。
直属上司の態度もわかりやすい。成績が悪いと怒鳴る蹴るの暴挙にでるが、自分たち全体の数字を底上げしてやればころっと掌返し。つくづくクソな会社です。
コミカルな漫画だからいいですが、現実でも同じような光景が横行してると思うと笑えません。働く人たちは言われるがまま働き潰されていきます。
そんな中、現状を変えようとするキンジ。どんなにゲスでも応援したくなります。
超暴食でマイペースなリムが可愛い
このむさ苦しい世界で最初に登場する仲間キャラの女の子は、迷宮に住む魔神の少女・リムです。
最初に人の姿になった時は、よくある嫁ポジションのキャラクターだと思ったのですが、色気より食い気でこれっぽっちもデレる様子がありません。お風呂も一緒に入るのですが、キンジもまったくピクリともせず。
まるで急に子どもができたような感じでした。親子っぽい。食費は恐ろしくかかるし面倒見てあげないといけない。だけど、手がかかる分愛着がわいてきます。
たくさん食べる姿が可愛い!
デフォルメされたジト目が可愛い!
なんだかんだキンジにしっかり餌付けされてなついているところも愛らしい。
だけど、可愛いだけじゃなくお腹が空くととてつもなく凶暴化するのも野性味があって良いですね。いろいろひっくるめて魅力的な女の子です。
作品情報
- 作品名:迷宮ブラックカンパニー
- 作者名:安村洋平
- 出版社 :マッグガーデン
- 掲載誌:MAGCOMI/月刊コミックガーデン
- 発売日:2017年05月10日
- 既刊数:7巻(連載中)
アニメ情報
- 2021年夏放送(Amazon prime video)
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まとめ
今回ご紹介したのは安村洋平さんの漫画「迷宮ブラックカンパニー」でした。
実は私も、社会人になって最初に務めた会社がブラック企業でした。
業務中に社長に追い出されるように突然クビになった先輩がいたり、社長がブサイクだと笑えばまわりも同じように笑わないと責められるような酷いところだったのです。
2度辞めようとしたのですが、お客様に迷惑をかけるからと引き止められ、3度目の正直でなんとか抜け出したという。しばらく負い目を感じていましたが、今となっては辞めてよかったと心底思います。
今の時代、すぐパワハラだのセクハラだのとコンプラ違反にされると笑い話にしてるおじさまもいらっしゃいました。でも、昔はもみ消されたり聞き入ってもらえなかったことがきちんと労働組合に伝わるようになっただけであって本来そうあるべきです。
この漫画の主人公・キンジはゲスいところはあるものの、人にどう思われようが気にせず、間違っていることはNOと言える人です。そんな心の強さをみんなが持てたらもっと明るい社会になるのかもしれませんよね。
アニメで知り、続きが気になって原作も読みました。絵柄はアニメとほぼ同じ感じなので違和感なく読めるので、先の展開が気にる方は買って損はないと思います。
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