超ポジティブラブコメ漫画【乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…/ひだかなみ】見どころ&試し読み
「乙女ゲーム」とは、プレイヤーが主人公となって男性キャラクターと交流を深めながらドキドキするような恋愛を体験できるゲームを指します。
普段の社会生活で疲れている時こそ、自分のことを好きだといって肯定してくれる存在に癒やされること間違いなし。
しかし、乙女ゲームにはシンデレラの義母や義理の姉たちように様々な理由から主人公に敵対し、恋の行く手を阻む障害となるライバルキャラクターも登場します。
今回ご紹介する漫画は、乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった主人公が破滅エンドを回避するため奮闘するお話。
まさか自分が乙女ゲームの世界に、それも主人公ではなく悪役になってしまうなんて!そんなハチャメチャなラブコメディ漫画となっています。
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あらすじ
前世でプレイをしていた乙女ゲームの悪役令嬢・カタリナに転生してしまった私。
カタリナはゲームの主人公を邪魔する存在であり、その結末は国外追放か死亡のみ。今世こそ穏やかな老後を送りたいカタリナは破滅エンドを回避するため行動を起こし始めるも、攻略対象やライバルキャラのトラウマやコンプレックスを良い方向に導き、恋愛フラグが立ちまくってしまいーー!?
仕舞には主人公・マリアからも慕われ、ゲームのメイン登場人物全員から恋愛感情を抱かれてアプローチを受ける存在になってしまう。
破滅フラグを恐れながらの学園生活を過ごしていく、恋愛フラグ立てまくりの破滅回避ラブコメディ★
作品の見どころ
登場人物を片っ端から攻略してしまう天然ジゴロっぷり
カタリナの前世は17歳の女子高生。それも乙女ゲーム好きの比較的オタク趣味なので恋愛経験なし。しかし、その裏表のない人の良さで男女かまわず登場人物を片っ端から攻略してしまう天然ジゴロです。
貴族同士だと下心と上っ面だけの人間関係が多いのでしょうか。そんな世界にいる彼らだからこそ、カタリナの純粋さに惹かれていくのかもしれません。肝心のカタリナ本人は、鈍感で周囲からの好意には微塵も気づいていないのも笑えます。
あと、攻略対象の男キャラクターだけでなくライバルの女の子たちもカタリナに恋心を寄せるのですが、同性だからという理由で拒否したりせず同等に扱われてているところが素敵なポイントです。
細かく作り込まれた世界観や設定
今や悪役令嬢といえば女性向け異世界転生ものでトップにくるほどの一大ジャンルなので、目にする機会も多いですよね。
この作品も乙女ゲームのキャラに転生し第二の人生を送っていくのですが、ゲームの本編部分にあたる学園パートに入るまでの子供時代が長く、とても丁寧に人間関係が描かれており、それがその後の展開に説得力をもたせています。ここまでしっかりと作り込まれた悪役令嬢ものは珍しい。
そして、もちろんメインの相手役は婚約者のジオルドではありますが、他キャラとのストーリーもたっぷり用意されており、読者の推しCPへのニーズにバッチリ応えてくれます。
わかりやすく丁寧に描かれた作品設定
ラノベが原作、乙女ゲームに転生、という2点から冒頭で読者に説明しなければいけない情報が多々あります。説明的な文章が多かったり代わり映えしないシーンの連続だと疲れてしまいますよね。
しかし、この作品はとても動的に話が進んでいくので見飽きません。作者さんがとても努力されたのではないかと想像できます。攻略ルートからのエンディングの説明も、カタリナの脳内会議もとても自然でした。
あと、なんといってもカタリナの表情や動きがとても生き生きしているのが魅力です。行動的なカタリナのキャラクター設定にもぴったり。登場人物が多いのにキャラの描き分けもしっかりされています。
1巻にこれだけの内容が、それも駆け足と感じることもなく詰め込まれていることに驚きました。
作品情報
- 作品名:乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
- 作者名:ひだかなみ/原作:山口悟
- 出版社 :一迅社
- 掲載誌:コミックZERO-SUM
- 発売日:2018年03月24日
- 既刊数:6巻(連載中)
アニメ情報
- 2020年夏放送(Amazon prime video)
合わせて読みたいマンガ
『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 絶体絶命!破滅寸前編』―原作:山口悟/キャラクター原案:ひだかなみ/漫画:nishi
同じタイトルのifのストーリー。悪役令嬢としてマリアに意地悪してる最中に前世の記憶を取り戻し、破滅フラグまっしぐらの危機的状況からスタートすることに。
本編と違いハラハラ感が楽しめる1冊です。
『歴史に残る悪女になるぞ 悪役令嬢になるほど王子の溺愛は加速するようです!』―原作:大木戸いずみ/キャラクター原案:早瀬ジュン/漫画:保志あかり
いい子ちゃん発言が大嫌いな主人公が、歴史に残る世界一の悪役令嬢を目指すお話。
同じく乙女ゲームに転生する展開で、回避するのではなく自ら進んで悪の道に進むというのが斬新でオススメしたい1冊です。
『乙女ゲー転送、俺がヒロインで救世主!?』―原作:武凪知/作画:辻本ユウ
男子高校生が乙女ゲームにヒロインとして転送されるお話。
好感度の上げ下げを調整しながら進むストーリー展開とノリ、どのキャラも曲者だらけのラブコメディがたまらない1冊です。
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まとめ
今回ご紹介したのはひだかなみさん作画の漫画「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」でした。
アニメで知ってこのコミカライズも読んでみました。漫画を描いているひだかなみさんは原作ラノベのイラストを手掛けている方なので、そこに寄せてキャラデザされているアニメ版の絵と同じようなテイストなのもあり違和感なく読めました。
一見、乙女ゲームと聞くとファンシーで華やかなイメージがありますが、悪役は国外追放されたり破滅を迎えるなどなかなかシビアな世界ですよね。しかし、歴史を振り返ると後宮や大奥など女同士の戦いは常に熾烈を極めてきました。そう思うと貴族の娘が王子の婚約者の座を奪おうと嫌がらせをしてくるのも頷けます。
問題は自分が突然、悪役の立場として覚醒してしまった時にどうできるかです。カタリナはまず、生き残るために剣や魔法の鍛錬を始めました。そのあとも、国外追放されても生き延びられるように農業も独学で学びます。
そのポジティブな発想やたくましさは、この厳しい現代社会を生きていくためにはぜひ見習うべきものかもしれません。
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