心温まるオムニバス漫画『月出づる街の人々』あらすじと感想(ネタバレ)
みなさまこんにちは!
マンガ大好きポンコツ主婦のはるちょこです。
今回は人間と似て非なる伝説のモンスターたちが暮らす街を舞台に、数多の物語が交差していくオムニバス漫画「月出づる街の人々」の魅力について語っていきます。
「月出づる街の人々」は酢豚ゆうきさんの作品です。月刊アクションにて連載中。コミックスは2022年11月現在1巻まで発売されています。
あらすじと私が感じる作品の魅力をご紹介していきます!
「月出づる街の人々」あらすじと概要
あらすじ
透明人間、狼男、ドラキュラ、メドゥーサ、ナーガ、ミイラ男、フランケン。異なるモンスターの少年少女たちが、友情、恋愛、家族について考え、悩み、そしてお互いを理解しながら成長していく。同人誌で発表されて話題となった4編に、新作の2編を加えて待望の単行本化。月明かりがモンスターたちを優しく照らす、オムニバス。
(引用:双葉社)
概要
ざっくり言うといろんな特性を持った亜人(モンスター)たちが交流するなかで恋や友情を育むお話です。
同じ舞台で展開されるオムニバスストーリー
透明人間、狼男、ドラキュラ、ミイラ男、メデューサ、フランケン、ナーガ。1巻でスポットを浴びるキャラクターだけでもいろんな種類のモンスターが登場します。
各話で主役は交代しますが、基本的に1話に登場した透明人間の女の子を中心にバトンタッチしていきます。
だけど主役を降りてもまたすぐに登場するので、もっとあのキャラクターを見ていたかったという物足りなさを感じさせません。
1話目となる「透明人間と狼男少年」はヤングマガジン第469回月間新人漫画賞にて佳作&TOP賞を受賞しています。
「月出づる街の人々」解説
家族でも種族はバラバラ
フランケンの女の子を例にあげると、お父さんは悪魔(?)、お母さんはメデューサ、兄はドラキュラ、弟は鬼(?)。一家5人だれひとり種族かぶりがいません。他の家族も同様です。
つまり血のつながった親子でも異なる種族であることが普通で、そこに種族の遺伝はないような描かれ方をしています。
遺伝で考えるとふしぎですが、「モンスター」とされる部分はその人の「個性」だと思えば自然に受け取ることができそうです。
「月出づる街の人々」魅力的なところ
モンスターが迫害されない世界
この世界のキャラクターたちはみんなモンスターです。今のところ人間らしき種族は存在しません。なのでモンスターが人間に差別され迫害されるようなしんどい展開はなく、ほのぼのとしたあたたかみのあるお話になっています。
あたたかいお話といっても、なにも起きないわけではありません。
その種族ならではの悩みを抱えた思春期の少年少女たちが、恋や友情、家族について考え苦悩し、互いを理解しながら成長していく…。
そんな、わたしたち人間となんら変わりのない青春をおくる彼らを見守り応援したくなる作品です。
モンスターごとに当たり前が違う
たとえばメデューサは頭に無数のへびを飼ってるような状態で、そのへびたちも寿命がくると抜け落ちて死んでしまいます。
これはメデューサにとってはごく自然なことで、悲しいけどどうしようもないことだと割り切っている部分もあります。けれど、そうじゃない種族からすると悲しみの大きさが違ってきます。
個人的なイメージだと、ハムスターと犬くらい違うんじゃないかなって。同じくらいかわいがっていても、同時に何十匹も飼えて短命なハムスターは仕方ないって自分に思い込ませることができるようになってくる。けど、これが犬や猫だと死んだあと何年も引きずるくらいダメージは大きい。
できるだけ一匹一匹かわいがってあげたいけど、80匹ものへびを常に同時に飼っている状態だとどうしても別れに慣れてきてしまうのは当たり前のこと。でないと、メデューサの心が持たない。
そんな感じで種族の数だけ異なる当たり前を、それぞれ否定することなく認めあって生きているこの優しい世界感がすごく好きだし魅力的です。
アナログタッチであたたかみのある絵柄
酢豚さんの描く手作り感のあるアナログタッチな絵柄が、このあたたかくて優しい世界とめちゃくちゃマッチしているところが魅力です!
これがもしキレイで殺風景な白い背景だったら、こんなにも物語に没頭できなかったかもしれません。それくらいコマのひとつひとつがその瞬間を切り取ったかのような臨場感があります。
実は1巻の内容のほとんどは、コミックDAYSで公開されている1話以外にも酢豚さんのTwitterにて公開されているのでぜひ読んでみてほしいです。
高校生のナーガとメドゥーサのお話です。リプライに繋げます。(1/8) pic.twitter.com/kPiT3BPNkY
— 酢豚ゆうき🐤単行本「月出づる街の人々①」発売中、コミティアN59a、コミケ土ち01a (@yukikanayama20) 2022年10月2日
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さいごに
作品詳細
酢豚ゆうきさんの「月出づる街の人々」をご紹介しました。
コミックDAYSで1話の「透明人間と狼男少年」を読んで作品の雰囲気に一目惚れしました。最初はオムニバス形式だから彼らとはそれっきりかな、もっと読んでたかったな、と思ってたのですが、ちゃんとその後のストーリーがあって嬉しかったです…!
2話のドラキュラも実は透明人間の女の子の弟だったりと、同じ舞台で進むオムニバスならではの楽しみ方ができました。
人間じゃないのに人間くさいモンスターたちの日常に癒やされる一冊です。
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